RVC でロボット声・金属音になる原因と直し方|protect と Index rate の関係
結論を3行で
1. まず protect を 0.2 に下げる(この設定は「数値を下げるほど保護が強い」向きです)
2. 次に Index rate を 0 にする
3. それでも残るなら入力音声を疑う(ピーク −6dB 以下・ノイズ抑制 OFF・サンプルレート統一)
設定名はこの記事では RVC WebUI の表記で書いています。VCClient(w-okada 版)・Applio・Mini RVC Client Pro にも同じ意味のつまみがあり、Applio では「Search Feature Ratio」(= Index rate)「Protect Voiceless Consonants」(= protect)という名前です。
こんな症状のとき
- 変換後の声が「ロボット」「電子音」「金属をこすったような音」になる
- 「さ行・は行・た行」や、息の多い言い回しで特に目立つ
- 歌うと、伸ばした音の途中にビリビリした質感が混じる
最初に、同じ音声をファイル変換でも試してください。ファイル変換でも同じ症状が出るなら、原因はモデル・設定・入力音声側です。リアルタイム変換のときだけ出るなら、バッファや配線の問題なので、この記事ではなく「遅延・途切れ」の対処を見てください。探す範囲が半分になります。
原因(可能性の高い順)
- protect が弱く、子音まで変換されている
protect は「無声子音と息を、変換せずに素通しする保護」です。数値を上げるほど保護が弱まり、子音や息まで AI が声として変換しようとして金属音になります。初期値(0.33 や 0.5)のままだと起きやすい症状です。 - Index rate が高すぎる
入力の発音を、学習データの中でいちばん近い音に置き換える強さ。高いほど声質は似ますが、学習データにない発声が別の音に化けて、電子音のような質感が出ます。 - 入力のピークが −6dB を超えている
AI は入力音声から「何を言っているか」を読み取ります。入力が割れていると、読み取る材料そのものが壊れます。後段ではもう直せません。 - サンプルレートが混在している
マイク・仮想ケーブル・ボイチェンソフトで 44.1kHz と 48kHz が混ざると、ジリジリした音の原因になります。
直し方(この順番で)
① protect を 0.2 にする
下げるほど保護が強いという向きに注意してください。0.2 にして金属音が消えれば、そこで止めます。下げすぎると子音が地声のまま残って別人感が薄れるので、0.2 前後が落としどころです。
② Index rate を 0 にする
当ショップのサンプル動画は、すべて Index rate 0 で変換しています。0 にしても声質はほとんど変わらず、発音の明瞭さが上がります。使うとしても 0.2 以下がおすすめです。
③ 入力レベルを合わせ直す
いちばん大きい声を出したときに、ピークが −6dB 以下になるようゲインを下げます。マイクからは 15〜20cm。OS や通話アプリ(Discord など)のノイズ抑制・エコーキャンセルは OFF にしてください。子音がノイズとして削られ、残った息だけが変換されて金属音になることがあります。
④ サンプルレートを揃える
Windows のサウンド設定で、マイク・仮想ケーブル(CABLE Input / CABLE Output)・ヘッドホンの「既定の形式」を同じ値(例: 48000 Hz)に揃えます。
設定早見表
| 設定 | 役割 | おすすめ |
|---|---|---|
| protect | 子音と息の保護(下げるほど強い) | 0.33 → 金属音が出るなら 0.2 |
| Index rate | 発音を学習データに寄せる強さ | 0〜0.2(サンプルは 0) |
| 入力ピーク | 割れていないか | −6dB 以下 |
| F0 推定 | 声の高さの読み取り | rmvpe |
モデル側の話
protect と Index rate を直しても、学習データに「息の多い発声」や「ささやき」が無いモデルは、そこだけ崩れます。当ショップのモデルはトーク・ささやき・歌唱を同じ比率で学習しているので、サンプル動画の「無声音(笑い・くしゃみ・咳)」の章で、苦手になりやすい音を隠さず公開しています。
よくある質問
Q. protect を 0 にすればいちばん自然?
A. 保護は最強になりますが、子音と息が地声のまま素通しになるので、聞く人によっては「地声が混ざっている」と感じます。0.2 前後から試してください。
Q. Index rate を 0 にすると似なくなる?
A. 声質の再現は主にモデル本体(.pth)が担っていて、Index は発音の補正です。0 でもサンプルどおりの声になります。
Q. ファイル変換では直ったのに、リアルタイムだけ金属音が残る
A. CHUNK が小さすぎて処理が間に合っていないか、仮想オーディオデバイスの経路でサンプルレートが変わっています。CHUNK を一段上げて確認してください。
関連する言葉
この症状は「ロボット声」のほかに、電子音・機械音・金属音・ケロケロ声・ビリビリする・声が割れる、とも言われます。使うソフトが VCClient・RVC WebUI・Applio・Mini RVC Client Pro のどれでも、protect と Index rate の考え方は同じです。OBS での配信、VRChat、Discord 通話のどの用途でも手順は変わりません。仮想オーディオケーブル(VB-CABLE / VoiceMeeter)を挟んでいる場合は、④のサンプルレート統一を先に確認してください。
この記事は無料配布の「ボイチェン大全」(113ページ・5か国語)の 4-8「ロボット声・電子音・金属音になる」と 4-9「こもる・くぐもる」をもとにしています。ほかの症状は、サイトの「困ったら、症状から引く」から。